誰もが人間関係において、苦手なタイプの人や合わないと感じる人はいるものです。知り合い程度の関係など、自分から距離をとって関わらないようにできる人であればよいのですが、それが自分の上司とあれば話は別です。
自分でも「合わないな」と自覚していても、業務上で必ず、しかも頻繁に関わらないといけないとなると非常にストレスが溜まりますよね。
この記事では、上司に対して抱えるストレスを和らげるため、いくつかの方法を紹介していきます。
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上司が合わないと思う原因を明らかにしよう
あなたが上司と合わないと思うようになったのはなぜでしょうか?「なんとなく」と答えたくなる気持ちもわかりますが、一度立ち止まって考えてみましょう。
そうすると「いつの間にか気づいたら合わないと思っていた」いうことはないことに気づくはずです。
そう思った決定的な出来事やきっかけであったり、相手の態度・考え方に触れたタイミングであったりと、そこには原因が必ずあります。
その原因を明らかにする前に思いつきで行動して解決しようとする人もいますが、失敗に終わってしまうケースが非常に多いです。思いつきでとる行動とは、上司のことを知っている同期に愚痴ってなんとか自分の気を鎮めたり、上司がどんなタイプの人間かも考えず自分の意見を主張してしまったりすることです。
これらは、一時的な解決にはなっても根本的な解決にはならず、このつらい状況が長引いて結局どんどんストレスを溜めていってしまう悪循環につながってしまいます。
合わない上司への対処法はその原因によって異なりますし、適切な方法を選択してこそ効果が出るものです。まずはどうして自分が上司と合わないと感じているのかその理由を明らかにしてみましょう。
決定的な出来事があった場合は、どうしてその出来事で合わないと感じたのか、相手の態度や言動が合わないと感じるのであれば、どういった点が合わないと感じているのか、なるべく具体的に考えてみてください。
合わない上司と付き合っていけるのか、しっかりと考えよう
原因を明らかにできたら、次は合わない上司と今後も付き合っていけるのか考えましょう。
あなたが合わないと感じている理由が、生理的・感情的なものとなってしまっている場合、関係性を改善するのはほぼ不可能で、これから長く付き合っていくことは難しいかもしれません。また、価値観が異なる上司であれば、根本的に考え方が合わないことが多くなるため、一時的には我慢できたとしても今後も衝突が起こることが想定されます。
これらが原因だった場合は、思い切っていまの上司から離れるために何らかのアクションをしても良いかもしれません。
上記のような原因ではなかったとしても、現在合わないと感じている上司とこれから付き合っていくことは相当な負荷やストレスも溜まりますし、関係性の改善には時間がかかることが多いです。時間をかけても上司と付き合っていけるのかどうか、その原因とともにあなたなりに考えてみましょう。
タイプ別「合わない上司」と付き合うためのポイント
嫌いな原因も考えてみた上で「この程度であれば乗り切っていけるかも」「多少時間がかかったとしてももう少し頑張ってみるか」そのように思えた人に向けて、タイプ別に厄介な上司と付き合っていくためのコツをご紹介します。
あなたの上司がどのタイプの上司にあたるのか考えながら読んでみてくださいね。
意見を聞くことなく、勝手に仕事を振るタイプの上司
こちらの業務量を把握していないのか、把握した上でそれでも仕事を振ってくるのか、いずれにしてもこちらの状況なんてお構いなしに仕事を振ってくる上司がいます。
このタイプの上司に対処するポイントは、その振られた仕事について「なぜ自分に振っているのか」と、背景を聞いてみることです。明確な理由が返ってくればあなたの納得感も高くなるでしょうし、もし明確な答えが返ってこない場合は「理由がないなら、〇〇な状況で今は追加の仕事が難しい」と具申しやすくなります。
上司を仕事に巻き込んでしまうのも一つの手です。「この仕事は上司が対応した方がクライアントも安心できるんじゃないでしょうか」「引き受けますが、この部分はどうしても苦手なのでお願いしたいです」など、上司の機嫌を取りつつも仕事を分担してもらうようにしましょう。
放任主義の上司
放任主義の上司は一見すると「部下を信用して業務を自由に任せている」と捉えられますが、「特に自分の意見や考えもなく、無責任にほったらかしている」タイプの上司も存在します。
前者であれば明確に上司と部下の仕事の役割を認識しており、計画性や部下の成長を考えながら業務をある程度任せている良い上司と言えます。一方、後者の場合は、計画性も自分の考えもないため、適当に仕事を丸投げしているだけです。この場合は、あなたから積極的にコミュニケーションを取ることが必要です。
上司が答えを持っていないことが多いため「このように進めてはどうですか?」「これで良いでしょうか?」と業務の進捗を確認しながらも、こちらが主導権を持って提案していくように進めていきましょう。
こうすれば後から「やり方が違う」とトラブルになることもないですし、あなたもある程度自由に仕事ができます。さらに、あなたからの提案で上司にも責任感が生まれてくるかもしれません。
理想を押しつける「意識高い系上司」
理想論を多く語る上司は、一見すると会社や組織のことをよく考えているように映り、もしかすると社内での評価は高い人もいるかもしれません。
ただ、部下からするとたまったものではありません。
「理想通りにできたら良いことはそりゃわかっているんだけど、現場のことや実際の業務フローを考えると無理!」と言ったことは多いものです。
さらに主張していることは正論であることが多く、反論しにくいのが厄介です。ただし、理想論を押しつけてくるタイプは、実はいちばん現実から目を背けている人だと考えられます。
このようなタイプに効果的なのは、とことん現実・具体的なアクションを突きつける方法です。「上司の仰る通りやりたいのですが、〇〇なので難しいです。具体的にどのようにしたら良いでしょうか?」「〇〇さん(上司)だったらどのように行動しますか、具体的な良いアイディアがあればご教示ください」といった具合に現実的な行動に移すための詳細をつめる。
最初のうちは「それを考えるのが仕事だ」と逃げられるかもしれませんが、都度このように質問や相談をしているだけでも責任逃れをされることは少なくなりますし、上司の意識が変わっていくことも期待できます。
感情的になりやすく、気分によって態度が変わる上司
機嫌が良い時は接しやすいが、機嫌が悪いと些細なミスでも怒ったり、感情をあからさまに態度に出したりするタイプの上司です。
メンバーなら百歩譲って許せても、管理職なのにセルフコントロールできていないと部下からすると困りますよね。
急ぎで相談したいのに、話しかけるタイミングをこちらから探らなければならないとストレスが溜まります。このようなタイプの上司には普段から上司との距離を縮めて、懐に飛び込んでおくようにしておくのがおすすめです。
ただ変に媚びたりご機嫌取りをしたりするという訳ではありません。あえて周囲との雑談に上司を混ぜて会話に参加してもらうなどのちょっとした工夫をすることで、仲間意識や和やかな雰囲気も醸成しやすくなります。
「こういう雰囲気の方が仕事も捗ります」「〇〇さんもイライラした時は話してくださいね」と雑談や上司の機嫌がいい時に伝えていきましょう。
メンバーのパフォーマンス向上のために上司がセルフコントロールを意識したり、上司の中にも仲間意識が芽生え、感情が安定したりすることが期待できます。
我慢できない!すぐにでも今の上司から離れたい場合の手段
原因も考えてみた上で「やっぱり我慢できない!」「長い期間をかけて上司と向き合っていくなんて難しい!」と思った人に向けて、明日にでも実行可能な対処法を紹介します。
上司より上の階層の人に相談をする
もしあなたが合わないと感じている上司が係長なら課長に、課長なら部長に、といった具合により階層が上の人に相談をするのが良いでしょう。
あなたが上司と合わないと感じているということは、あなたの上司のマネジメント力にも問題があるケースが多いです。課題に感じている点をより上の階層の人に伝えることで、その人があなたの上司へ直接指導してくれる可能性があります。あるいは上司かあなたを異動させることで直接の関わり合いがなくなるように取り計らってくれるかもしれません。
いずれにしても、上の階層の方を味方につけておくことで、その後の業務も円滑に進むことも多くなるでしょう。
社内窓口に相談をする
社内でもあなたと関わり合いが強い人などには相談しづらいといった場合は、専用の窓口に相談するのがよいでしょう。
合わないと感じている理由が、「場所や状況を選ばず、強く叱責されたり人格否定をされたりする」「残業時間などを無視して仕事を過剰に振ってくる」などといったパワハラや労基違反が疑われるような場合は、法務窓口やホットラインなどへ連絡することが良いでしょう。
また、コンプライアンス的に問題がない場合でも、合わない上司と仕事を進めることができず、業務全体に支障をきたしてしまっている時などは人事部などに相談することも考えられます。上司の上の階層の人に相談するケースと似ていますが、あなたや上司の異動を検討してくれる可能性があります。
もし「社内の窓口に相談するほど大ごとにしたくない」「そういった窓口はこれまで使ったことがないため、なんとなく相談がしにくい」といった場合は、上司に対するフィードバック制度、評価制度を利用すると良いでしょう。最近は、上司も部下からどのように思われているか評価される制度を採用している企業が増えています。
匿名で回答をしつつ、上司の上司や人事部へあなたがどのように感じているか、部下の立場から伝えることが出来ます。当然この上司評価は、上司より上の階層の人も目にすることになります。問題だと認識されれば、直接指導してくれる可能性が高くなります。誰が書いたのか匿名であっても気づかれる可能性に注意しつつ、遠慮せずに本音で回答するとよいでしょう。
社外窓口に相談する
「うちの会社には上記のような制度がない」「勇気を持ってせっかく相談したのに何も対処されなかった」、そういった人は、社外の相談窓口の利用もおすすめです。
社外の相談窓口には、労働組合や総合労働相談コーナーなどがあります。
働くことに関するさまざまな相談を無料ですることができます。もちろん秘密は厳守されますので、情報が漏れてしまう心配もありません。合わない上司との関係性に悩んでいる人は非常に多いので、客観的な意見やアドバイスをもらえる可能性も高いです。社内の人に話しにくいことも、第三者には意外と話しやすかったりしますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
ここまで合わない上司と付き合っていくためのコツや具体的な対処法について紹介してきましたが、「自分なりに対処法を考える」という人もいらっしゃると思います。その際は、逆に取らない方が良いNG行動も確認しておきましょう。
合わない上司に対してとらない方がよいNG行為
苦手・嫌いな上司に対して気をつけるべき行動例を紹介していきます。ご参考にしていただければ幸いです。
いきなり上司と2人で直接相談する
「合わない上司と話し合ってなんとか状況を改善しよう」「苦手意識を払拭するために向き合ってみよう」と考える人もいるでしょう。
その意識はとても良いことだと思いますが、現時点では合わない上司に対して、苦手意識を感じている状態ではないでしょうか。その状態で上司と話し合うことで、うまく自分の意見が伝えられなかったり、感情的になってしまったり、その苦手意識がより深まってしまう可能性があります。
共通の知人を交えたり、仕事と関係のない話をしたりするところから、徐々に距離を詰めていき苦手意識が薄れた段階で、上司と直接話し合ってみることをおすすめします。
上司に嫌われていると考える
もしかすると、「こんなに上司と合わないには、嫌われているからなんだ」「自分のせいなんだ」と、自分を責めてしまったり、気に病んでしまったりしている人もいるかもしれません。
ただし「上司と合わない」ことと「嫌われている」ことはまったくの別物です。
このような意識を持ってしまうことで、何気ない一言も自分に対する批判だと受け取ってしまったり、メンバー全員に対する指摘や指導も自分だけが強く当たられていると感じてしまったりと、マイナス思考に陥りやすくなります。そうすると今まで以上に上司の言動が気になってしまいますし、ストレスも溜まりやすくなってしまいます。
実際、本当に嫌いだと思われていることはほとんどありませんので、過度に気にしすぎず、心に余裕を持ってくださいね。
一人で解決しようとする
一人で問題を解決しようとすることもおすすめしません。なんとか一人で今の状況から脱したい人もいらっしゃるでしょうが、自分一人でできることには限界があります。
また、人間関係の問題を解決するためには、やはり客観的な目線が必要になります。
自分だけで解決しようとすると、どうしても主観が入り、客観的に関係性を整理することが難しくなります。より上司との関係性がこじれてしまう場合も多いでしょう。信頼できる友人・知人に自分の気持ちを吐き出してみたり、社内・社外の窓口を使って相談してみたりと、何より一人で問題を抱え込まないようにすることが重要です。
合わない上司によるストレスを軽減させる
合わない上司との関係性にストレスを溜め込んでしまっている人も多いと思います。
ストレスが溜まっていると、よく眠れなくなったり、食欲がなくなってしまったり、頭が回らなくなってしまったりと、仕事に対して十分なパフォーマンスを発揮できなくなります。このように体力的にも余裕がなくなってしまうことで、悪循環へとつながります。
溜め込んだストレスはきちんと発散して、しっかりとリフレッシュすることが重要です。心身ともに健康な状態だからこそ仕事も上手く乗りこなしていけるのです。
厚生労働省では「3つのR」というストレス対処法を推奨しています。「Rest=休息、休養、睡眠」「Recreation=運動、旅行などの気晴らし」「Relax=ストレッチ、音楽などリラックス」の3つのことです。もちろんあなたの趣味でも良いですし、自分に合ったストレス解消法をぜひ見つけてください。
もし社内でストレスチェックや産業医のカウンセリングなどがある場合は、今あなたがどのようなことに対して、どれくらい強くストレスを感じているか知ることができますし、あなたにあったストレス解消法も教えてもらえます。一度気軽にぜひ受けてみることをおすすめします。
まとめ
いろいろなタイプの人間がいるため、あなたが合わないと感じる上司がいるのも当然のことです。
無理に笑顔を作ったり、いい人を演じたりして、我慢しつづける必要はありません。 これまで紹介してきたように、まずは合わないと思っている原因や今後も付き合っていけるのかどうかを、一度冷静になって考えてみることが重要です。
原因がわかれば自ずと対処法も見えてくるでしょうし、これからその上司と向き合っていけるかどうかも見えてくると思います。自分に一番合っていると思う方法で、合わない上司や仕事を乗り切っていきましょう。
アクションを起こす際には、決して一人で抱え込まず、必ず社内・社外問わず第三者に相談をしてください。