ハローワークの職業訓練でスキルを身につければ、次の就職を有利にできます。しかし、分野によっては「本当に職業訓練だけで大丈夫?」と心配になることも。
今回は、人気コースのひとつ「Webデザイン」について、職業訓練で学びや、その後の就職における価値を解説します。
一部では「やめとけ」と言われることもあるようなので、その真相もみていきましょう。
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ハローワークの職業訓練なら、未経験からでもWebデザイナーを目指せる
未経験でも職業訓練でWebデザイナーを目指すことは可能です。実際に職業訓練からWebデザイナーに転職した方もいます。
職業訓練の概要や身につけられるスキルについては後述しますが、実用的なソフト(ツール)の使い方を知るきっかけになることが最大のポイント。職業訓練でソフトに慣れておき、あとは自分で実務レベルまでスキルアップすれば、未経験であっても仕事にすることができるでしょう。
ただし、2つほど懸念点もあります。
ひとつは、Webデザイナーに求めるスキルが企業によりバラバラであることです。イラストやロゴを作成するところまでなら職業訓練で十分に身につけられます。ただIT企業などではコーディングなどフロントエンドの開発に関わるところまで要求されるケースもあるので、希望の企業への就職は難しい可能性があります。
もうひとつは、ツールを使いこなせばWebデザインの仕事ができるわけではないことです。
絵を描くこととデザインすることとは異なるため、また別のスキルが要求されます。絵を描くのが得意な方が選ぶことが多いコースですが、仕事で使うスキルは別に必要であることを押さえておきましょう。
Webデザインに関する職業訓練の概要
職業訓練でWebデザインを学ぶことについて、基本的な情報を整理しました。
- Webデザインコースの受講期間
- Webデザインコースで学べること
- Webデザインを学ぶメリット
それぞれ解説します。
Webデザインコースの受講期間
職業訓練のWebデザインコースは、3〜6カ月受講する必要があります。
同じWebデザインのコースでも、通う期間によって学べるカリキュラムが変わります。当然、長ければ長いほど広い範囲をカバーできるので、未経験であればなるべく長期のコースを選択したほうが無難です。
とはいえ、「無職期間を減らしたい」など特別の事情がある方はバランスも大切です。就職先さえあれば、現場でスキルアップができる職種でもあるので、短期間で済ませて次のステップに進んでもよいでしょう。
職業訓練校のWebデザインコースで学べること
職業訓練のWebデザインコースで学べることは、受講期間で変わってきます。
3カ月コースと6カ月コースを例に、それぞれ学べることを紹介します。
3カ月コース
Webデザインの基礎
PhotoshopやIllustrator、Figmaの基本的な操作方法
HTMLやCSSの基礎
ポートフォリオの作成
6カ月コース
Webデザインの基礎
PhotoshopやIllustrator、Figmaの基本的な操作方法
HTMLやCSSを使ったコーディング
ポートフォリオの作成
JavaScriptとjQueryのより高度なコーディングスキル
グループワーク
上記はあくまでも参考です。
通う学校によって、コーディングをしっかり学ぶ学校もあれば、PhotoshopやIllustratorなどでバナー作成やデザインを学ぶことに力を入れている学校もあります。
学べる受講内容については、各学校のホームページやハローワークでの募集チラシに掲載されていることが多いです。
気になる学校を見つけたら、説明会や見学、体験レッスンに申し込んでみることをおすすめします。
職業訓練でWebデザインを学ぶメリット
職業訓練でWebデザインを学ぶメリットは、以下の通りです。
無料で受講できる(テキスト代別)
スクールに通ったり、独学でも書籍を購入したりすると多くの出費がかさみますよね。
職業訓練はテキスト代は別にかかりますが、基本的に無料で講師からWebデザインを学ぶことができます。
失業保険がすぐに受給できる
自己都合の退社の場合、失業保険はすぐにもらえません。通常3カ月程度の給付制限がかけられますが、職業訓練を受講すればすぐに失業保険を受給することができます。
また、受講期間が長ければ、受給期間が通常より延長される場合もあります。詳しくはハローワーク窓口にて相談してみましょう。
就職先の選択肢が増える
Webデザインを独学で勉強するよりも、職業訓練でWebデザインを学んだほうが就職活動においてアピールしやすくなります。
もちろん職業訓練を卒業しただけではWebデザイナーになれるとは限りませんが、何カ月もWebデザインを勉強したという実績は役に立つでしょう。
職業訓練校の学生証で学割を使える
職業訓練校に入校すると学生証が発行されます。この学生証があれば、学割を使うことができます。
学生であることは、Webデザイナーになる準備をするのにとても役に立ちます。
人気のApple製品を学割で買えるだけでなく、Adobe Creative Cloudを半額以下の月額で利用できます。ほかにも、学割が使える場面はいろいろあるので、職業訓練に通うなら活用しない手はありません。
独学と違って、講師に直接質問ができる
Webデザインに使うソフトには癖のあるものが多いので、独学だと行き詰まりがちです。
しかし、職業訓練ならプロの講師に直接質問ができるので、スムーズに勉強を進められます。
ハローワークの職業訓練は誰でも受けられるわけではない?
実は、誰でもハローワークで紹介される職業訓練を受講できるわけではありません。
ここで、Webデザイナーコースを受講するにあたって、よくある3つの疑問点をピックアップしました。
筆記試験や面接などの選考に通過する必要がある?
Webデザイナーコースの倍率は高い?
40代や50代でもWebデザインの講習を受けられる?
それぞれ解説します。
筆記試験や面接などの選考に通過する必要がある?
職業訓練を受講するには、筆記試験や面接などを通して選考に通過する必要があります。
Webデザイナーコースの倍率はだいたい2〜4倍のため、難易度は高めです。
筆記試験の内容は、国語と数学で構成されることが多いようです。中学・高校レベルの国語と数学は復習していたほうがよいでしょう。
面接に関しては、志望動機や前職の退職理由について問われることが多いようです。スムーズに答えられるようにあらかじめシミュレーションしておきましょう。
Webデザイナーコースの倍率は高い?
職業訓練は、コースごとにそれぞれ受講できる人数の上限が決められています。
そのなかでも、Web関連のコースは毎回応募者が多く、倍率が高い傾向にあります。したがって、応募しても必ず受講できるわけではありません。
倍率は、下記の方法で確認できます。
ハローワーク窓口に問い合わせる
ハローワークのWebサイトから確認する
通いたい職業訓練校に直接問い合わせる
見学説明会に参加する
自分が申し込みたい職業訓練校の倍率を確認してみましょう。
40代や50代でもWebデザインの講習を受けられる?
結論として、40代や50代の方でもWebデザインを受講して就職を目指すことは可能です。
もちろん、年齢が若い20代や30代のほうが就職に有利なのは間違いありません。
しかし、40代や50代からでもWebデザインを学び、ポートフォリオをしっかり作り込めば、就職することは可能です。
また、いきなり正社員からではなく、派遣やアルバイトを経由して、しっかりと経験を積んでから正社員を目指すこともできます。若い人に混じって下積みをするのが難しい方は、フリーランスで案件を探してもよいでしょう。
「職業訓練からWebデザイナーを目指すのはやめとけ」と言われる理由
本当にやめておくべきかどうかはさておき、「職業訓練からWebデザイナーを目指すのはやめとけ」と言われるのには理由があります。
その理由は以下の3つです。
- 基礎がないと授業についていけない
- 有料のスクールと比べると、授業の質が高くない
- 覚えるべきことが多い
それぞれ解説します。
基礎がないと授業についていけない
Webデザイナーコースは、パソコンが使える前提で授業が進んでいくため、最低限のITスキルがないとついていけない場合があります。
IT業界未経験で、パソコンに疎い方は、まずはパソコンに慣れるための職業訓練を選択すべきなので、やめておいたほうがよいと言われることがあるでしょう。
有料のスクールと比べると、授業の質が高くない
職業訓練は、有料のスクールほど情報が充実しておらず、最新のトレンドにも疎い傾向にあります。
主な理由は、受講できる期間が短いため比較的重要な箇所を省いていたり、情報しか盛り込まれていなかったりするからです。
前提として基礎学習が多く、現場で必要とされる対応力が身に付くかどうか疑問符が付くという実態があります。
覚えるべきことが多い
Webデザイナーは、多様なスキルが求められることが多い職業です。そのため、未経験可の求人であっても、職業訓練での学習だけでは不十分なのが一般的です。
実際に働くとなると、講習の内容を超えた実践的なスキルが必要になるため、自分で学習するのが難しい方は、やめておいたほうがよいかもしれません。
ハローワークの職業訓練を受講すればWebデザイナーとして就職できるのか
結論から言うと、職業訓練だけでレベルの高いWebデザイナーになるのは難しいです。「現場で必要」な技術の習得が難しいことと、紹介される就職先は倍率が高いことがその理由です。
しかし、Webデザインの現場で使うソフトはPhotoshopやIllustrator、Figmaなど限られています。企業が求めるスキルにも、これらはほぼすべてに含まれています。
これらを習得するきっかけにするのであれば、職業訓練は有効です。
ソフトの使い方を覚えたうえで、Webデザイナーとして必要なスキルを補完していけば、戦力となり企業で働くことは十分にできるでしょう。
初めてのWebデザイナー転職はエージェントの利用がおすすめ
Webデザイナーへの転職は専門的な知見が求められるので、ハローワークもよいですが、未経験の方ほど転職エージェントを使ったほうが効率的かもしれません。
転職エージェントへの登録と相談はいつでもできるので、「職業訓練を受ける前」に相談をしておけば、より具体的なアドバイスをもらえて無駄がないでしょう。
成功率を高めるためにも、Webデザイナーへの転職活動には、転職エージェントを使ってみてはいかがでしょうか。
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