韓国留学にを行い、韓国語を通して韓国という国そのものを深く知っていくなかで見えてきた、私の人生の大きな軸となる目標がありました。それこそがいつか韓国と日本の架け橋になれるような人になりたいという思いです。
韓国語を学ぶきっかけとなったBTSとの出会い
私が韓国留学することを決心するまでの過程を話す前に、私が韓国語の勉強を始めたきっかけからお話ししたいと思います。
まず、私が韓国語に出会ったのは大学1年生の春、2018年の4月でした。
それまで、アンニョンハセヨしか知らないで生きてきた私でしたが、同じ学科の友人に紹介されてBTSの動画を見たことをきっかけに、私の人生が大きく変わることになります。それほど、彼らとの出会いは強烈でした。
彼らと出会ったその時まで、私はとても自己肯定感の低い人間でした。ひどい容姿コンプレックスに、大学受験を大失敗したことによって学歴コンプレックスまで拗らせ、なんで生きているんだろう、生きている意味はあるのかとまで考えた時もあります。
そんな私を変えてくれたのが、BTSの歌でした。
当時、彼らはLOVE YOURSELFをコンセプトとした一連のアルバムのプロモーションの真っ最中でした。そして、そのアルバムに収録されていた曲たちに歌詞こそが、私の価値観を大きく変えてくれました。
自分は自分のままでいい、失敗こそが自分を強くしてくれる。自分を愛することは難しいけれど、自分を愛することを探しながら生きていこう。そうすればいつか自分の幸せを見つけられるはずだと。
その歌詞と、そしてそのLOVE YOURSELFというコンセプトそのものに感銘を受け、彼らの歌詞と、彼らの言葉を理解したいと思い、韓国語の勉強を本格的に始めました。
韓国人の友人との付き合いを経て、韓国への興味・関心を強くする
それまで一切韓国語に触れてこなかった私が、大学生から韓国語を独学で学んでいくことは至難の道でした。
まずハングルはどう見たって絵文字にしか見えなかったし、わからないことだらけで挫けそうにもなりました。そして、わからないことを聞く相手が欲しいと思い、ハロートークというアプリを通して、韓国人の友人に出会ったことがまた私の人生を変えていきます。
それまで、BTSを通してしか韓国という国を見てこなかった私が、リアルに韓国で生き、韓国で育った人達と触れ合っていくなかで、韓国という国そのものについてもっと知りたいと思うようになりました。どんな教育を受けて、どんな環境の中で生きてきたのか。
私と出会って、拙い韓国語しか話せない私にも本当に優しく接してくれて、仲良くしてくれる友人たちをもっと理解したいと思ったのです。
正しい理解と発信を通して、韓国への偏見をなくしていきたい
韓国という国そのものへの興味が増し、旅行で韓国を訪れ、韓国人の友人が増えていくたびに、メディアや日本国内で抱かれているイメージとは違う、韓国が見えてきました。
やはり、いま現在も政治的な面から見ると日韓関係は良好だとは言えません。
反日デモが起きているときに韓国への旅行を計画したら、危険だから行くのはやめたほうがいいと言われたこともあります。
しかし、韓国に住む人たちは、私が日本人だから、そんな理由で危害を加えたり、嫌がらせをしてくるような人たちではありません。私に優しくしてくれる友人たちだけではなく、道に迷っているところを助けてくれたおじさん、お店で日本から来てくれて嬉しいとサービスをしてくれる店員さん、日本旅行に行った思い出を楽しそうに語ってくれたタクシーの運転手さん……思い返せばキリがないほど、韓国に住む人々の優しさに触れてきました。
そして、韓国人だからという理由だけで偏見を持ってみられる現状に対し、憤りを感じました。そして自分にできることはないか考え、模索し始めたのです。
韓国という国の現状を正しく伝えるためにはまず韓国という国そのものを正しく知る必要がある。そう考えて留学を決心し、いま私はここにいます。もちろん、韓国にだって悪い部分はあります。留学中帰りたいと思ったこともあります。
それでも、韓国で生きて、自分の目を通して経験し、感じたことを伝えたいと思い、SNSでの活動にも積極的に取り組んできました。まだ、私はスタートラインに立ったばかり。これからも、私の長い人生の中で、少しずつ少しずつ理解を深め、私を通して韓国という国に対する偏見がなくなったという人が1人でも多く生まれたら、これ以上の幸せはありません。